タイ料理を家庭で本格的に作りたいと思った時、まず迷うのが 「どの調味料から揃えればいいか」。タイには独自の調味料が多く、ナンプラー・タマリンド・ココナッツミルク・カレーペースト・ナムプリックパオなど名前を聞いたことがあっても、用途が分かりにくいものばかりです。
この記事では、タイ料理に必須の調味料・あると便利なハーブ・カレーペーストの種類を整理し、初心者がまず揃えるべき優先順位 から、本格派が次に手を出すべきアイテムまで、料理別に整理します。
目次
- タイ料理の基本の3つの調味料
- タイ料理に必須のハーブ4種
- タイカレーペーストの種類
- あると本場感が増す調味料
- 料理別・最低限揃えたい調味料セット
- 初心者の優先順位 — 最初に揃える5つ
- 入手先
- 保存方法のまとめ
- まとめ
タイ料理の基本の3つの調味料
タイ料理の味を作る三角形は 塩気・甘み・酸味 のバランス。それぞれを担当する代表的な調味料を押さえれば、9割のタイ料理は作れます。
塩気・うま味の主役: ナンプラー
タイ語で「ナム(液体)+ プラー(魚)」、つまり 魚醤 です。カタクチイワシなどを塩漬けにして発酵させた琥珀色の液体で、タイ料理の塩味とうま味の柱。
スーパーや業務スーパーで手に入る メープロイ・スクワッド・ティパロス などが定番ブランド。詳しくは ナンプラーとは?タイ魚醤の特徴・使い方・代用品 で解説しています。
甘みの主役: パームシュガー
ココヤシやサトウヤシの花蜜を煮詰めた タイの伝統的な砂糖。色は淡い黄〜茶色、味はコクのあるキャラメル風。三温糖や黒糖でも代用可能ですが、パームシュガーを使うと タイ料理特有の「丸い甘み」 が出ます。
塊のブロックタイプとペーストタイプがあり、ブロックは削って使う。Aroy-D、Cock Brandのパームシュガー が定番。
酸味の主役: タマリンドペースト・ライム
タイ料理の酸味は タマリンドの丸い酸味 + ライムのシャープな酸味 の使い分けが基本。
- タマリンドペースト:パッタイ、マッサマン、トムヤムの隠し味に
- ライム汁:トムヤム、ヤム(サラダ)、仕上げに絞る
詳しくは タマリンドとは?甘酸っぱい東南アジアの万能食材 で解説。
タイ料理に必須のハーブ4種
調味料と並んで重要なのが ハーブ類。これらが入らないとタイ料理の「あの香り」は出ません。
レモングラス(タクライ)
柑橘系の爽やかな香りが特徴の細長いハーブ。トムヤム、グリーンカレー、レッドカレーのスープのベースに必須。生・冷凍・乾燥 が流通しており、長期保存なら冷凍が便利。
こぶみかんの葉(バイ・マックルー)
独特のシトラス香を持つツヤのある緑の葉。トムヤム、グリーンカレー、レッドカレーの仕上げにちぎって入れる。生は冷凍保存が可能 で、長期保存に向く。
ガランガル(タイ生姜・カー)
ショウガに似て異なる、ピリッとした樹皮香のある根茎。ショウガで代用可能 だが、本場の味を再現したいなら本物が必要。トムヤムやグリーンカレーペーストに使われる。
ホーリーバジル / タイバジル
ガパオには ホーリーバジル、グリーンカレーやトムヤムには タイバジル という使い分け。詳しくは ホーリーバジルとは?タイバジルとの違い で解説。
タイカレーペーストの種類
タイカレーは 使うペーストの種類で完全に別料理 になります。
| ペースト | 主原料 | 辛さ | 代表料理 |
|---|---|---|---|
| グリーンカレーペースト | 青唐辛子 + ハーブ | 中〜辛 | グリーンカレー |
| レッドカレーペースト | 赤唐辛子 + ハーブ | 辛 | レッドカレー、ガパオの一部 |
| イエローカレーペースト | ターメリック + クミン | 中 | イエローカレー |
| マッサマンカレーペースト | クミン + シナモン + クローブ | 弱〜中 | マッサマンカレー |
| パネーンカレーペースト | 赤唐辛子 + ピーナッツ風味 | 中 | パネーンカレー |
| トムヤムペースト | レモングラス + 唐辛子 + 海老 | 中〜辛 | トムヤムクン |
家庭で 最初に揃えるなら「グリーン」と「レッド」 の2種類。三大カレーのうち最も人気で、応用も効きます。
詳しくは グリーンカレーとは?タイカレーの王様の正体 を参照。
あると本場感が増す調味料
オイスターソース
中華料理由来だが、タイ料理でもガパオ・パッ(炒め物)に多用される。メープロイ、リキンキ が定番ブランド。コクと甘みの底上げに。
ココナッツミルク
カレー、デザート、トムヤム濃厚版に必須。Aroy-D、Chaokoh が定番。濃厚タイプと液体タイプの使い分け がポイント。
ナムプリックパオ(チリインオイル)
唐辛子・玉ねぎ・にんにく・乾燥海老を油で煮込んだペースト。トムヤム濃厚版の赤い色とコクの正体。トーストに塗ったり、炒め物の隠し味にも使える万能調味料。
スイートチリソース
揚げ春巻き、生春巻きのディップに。メープロイ がスーパーでも入手しやすい定番。
シラチャーソース
タイ・シーラチャー発祥のチリソース(詳しくはこちら)。卵料理、揚げ物、ピザ、ハンバーガーまで万能に使える。
タイ唐辛子(プリック・キーヌー)
「ねずみのフン」と呼ばれる小さくて強烈に辛い唐辛子。生・乾燥・粉末(プリックポン)が流通。家庭では 乾燥タイプ か粉末を常備すると使いやすい。
料理別・最低限揃えたい調味料セット
ガパオライスを作る
ナンプラー、オイスターソース、パームシュガー、ホーリーバジル、タイ唐辛子、にんにく
パッタイを作る
ナンプラー、タマリンドペースト、パームシュガー、センレック(米麺)、桜えび、ピーナッツ、ライム
グリーンカレーを作る
グリーンカレーペースト、ココナッツミルク、ナンプラー、パームシュガー、こぶみかんの葉、タイバジル
トムヤムクンを作る
ナンプラー、レモングラス、こぶみかんの葉、ガランガル、タイ唐辛子、ライム、ナムプリックパオ(濃厚版なら必須)、海老
初心者の優先順位 — 最初に揃える5つ
タイ料理を始めたばかりなら、この5つを揃えれば80% のタイ料理が作れる という優先リスト。
- ナンプラー:すべてのタイ料理の塩気とうま味の柱
- オイスターソース:ガパオ・炒め物全般
- タマリンドペースト:パッタイ・マッサマンの甘酸っぱさ
- ココナッツミルク(缶):グリーンカレー・レッドカレー
- グリーンカレーペーストorレッドカレーペースト:カレー全般
ハーブ系は 冷凍ハーブセット を一袋買っておくと、レモングラス・こぶみかんの葉・ガランガルがまとめて揃って便利です。
入手先
スーパー・業務スーパー
ナンプラー、ココナッツミルク、スイートチリソース、シラチャーソースなど メジャー調味料は手に入る。マイナー食材は厳しい。
エスニック食材店
池袋・新大久保・上野アメ横 などのアジア食材店なら、タマリンド・ハーブ・カレーペースト・タイ米まで揃う。本格派は最初にこれらの店を覗いてみるのが近道。
ネット通販
Amazon、楽天、エスニック専門通販で 業務用サイズも含めて何でも揃う。送料を考えると、まとめ買いがコスパ良し。
保存方法のまとめ
| 調味料 | 開封前 | 開封後 |
|---|---|---|
| ナンプラー | 常温2〜3年 | 冷蔵6〜12ヶ月 |
| タマリンドペースト | 常温1〜2年 | 冷蔵6ヶ月 |
| ココナッツミルク | 常温2年 | 冷蔵3〜5日(早めに使う) |
| カレーペースト | 常温1年 | 冷蔵1ヶ月(小分け冷凍推奨) |
| ナムプリックパオ | 常温1年 | 冷蔵6ヶ月 |
| 生ハーブ | – | 冷凍6ヶ月 |
| 乾燥唐辛子 | 常温1年 | 同上 |
カレーペーストは冷凍が基本。製氷皿で小分けにしておくと、必要量だけ取り出せて便利です。
まとめ
タイ料理の調味料は一見種類が多く見えますが、ナンプラー・タマリンド・パームシュガー + ハーブ4種 + カレーペースト という基本構造を押さえれば、ガパオ・パッタイ・グリーンカレー・トムヤムまで幅広く家庭で再現できます。
最初は ナンプラー一本から でも十分タイ料理は始められます。慣れてきたらタマリンド・カレーペースト・ナムプリックパオを順に揃えていけば、自然とタイ料理のレパートリーが広がっていきます。
中華やインドの調味料と比べたい人は、コチュジャン や 甜麺醤 と並べて使い分けると、アジア調味料の世界観が一気に広がります。


